地形
宮崎県は九州南東部に位置し、県土の約75%を山地が占める山岳県であり、東縁は総延長400kmもの海岸線により、日向灘(太平洋)に臨んでいる。
地形構成は、火山地を含む山地と、山麓丘陵、台地、段丘、低地などを内包する低平な平野や盆地に大別される。
山地の分布は県央東部域の平野を除くすべての地域に及び、県北から県央西部域までの広い範囲には九州山地が展開する。九州山地は大分・熊本県境に祖母山(標高1756m)、国見岳(同1739m)、市房山(同1721m)など1700m級の山々を連ねている。また、県南一帯には鰐塚山地が、県南西部(鹿児島県境)には霧島山(標高1700m)を中心とする霧島火山群がそれぞれ展開している。
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山地が迫る県北および県南の沿岸部では、山体が海に没して、リアス式の沈水海岸を形成している。
丘陵地・台地は、九州山地の東方に広がる宮崎平野と霧島火山群を囲む加久藤・小林・都城などの盆地群に分布する。岩石質または砂礫質で、火山地周辺部では上位をシラスが被覆して、シラス性丘陵やシラス台地を形成する。いずれも河川や降雨浸食が著しく、浸食段丘と開析谷が発達して、複雑な地形状況を呈している。
低地の分布は、前述した盆地の河谷のほかに、沿岸河口付近と平野部の河川流域にみられ、いわゆる沖積低地を形成する。なお、宮崎平野沿岸部では直線的な砂丘海岸が分布する。
地盤
山地
各種岩盤類などで形成された基盤の上位に、火山灰に由来する黒ボク土や森林性有機質土が堆積する。低山地や山麓部ではシラスの堆積をはじめ、火山礫や軽石なども混在する。
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宅地地盤としての性状は、形成年代や発達過程(土種、層厚、成層状態)により異なる。一般に、黒ボク土や森林性有機質土が厚い場合、固結土層が存在する場合、傾斜地を造成する場合には、慎重な基礎選定を要する。
丘陵地・台地・段丘(シラス堆積地形を含む)
岩石や砂礫で構成される丘陵地、台地、段丘。平野部や盆地に発達する。火山灰由来の黒ボクや火砕流堆積物、浸食二次堆積土が被覆することが多い。
火山地周囲では、シラス性丘陵や台地、段丘などがみられる。シラスは流水の浸食に対して脆弱であり、また乱すと全く強度を見込めないため、盛土利用には十分な注意が必要となる。
住宅地盤を想定した場合、浅い深度から密実な礫質層が確認される場合は、問題は少ないと言えるが、堆積状況が不均質な場合には十分な注意が必要となる。
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なお、シラスの分布域では、シラスの特殊性を十分に考慮した上で、地盤状態を見極めることが望まれる。特に土質試験や土質調査については、普通の土と同様の方法をそのまま適用できないことがあるので、注意を要する。
低地
河川流域に形成された開析谷や河口部、沿岸域の平野部。いわゆる沖積層を成す。
河川によりもたらされる土砂や浸食二次堆積土を主体とし、火山性の砂や砂礫、砂質シルトなども混在する。沖積シラスおよび二次堆積シラスの分布地域では軽石礫、火山ガラスを含むことが多い。
一般に軟弱地盤を形成することが多いため、住宅利用を考えた場合、基礎形式の選定は特に慎重に行なう必要がある。
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