2012年4月12日木曜日

子どもの病気(食中毒)


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高温多湿の日本では、食中毒が梅雨時期からじわじわ増え始めます。給食や仕出し屋の弁当で発生というケースも多いけれど、意外と家庭の中でも起こるもの。

小さい子どもほど症状が重くなることもあるから幼稚園のお弁当だって、心配ですよね。そこで食中毒で気をつけたいことをまとめてみました。

食中毒ってなに?

食中毒ってなに?

食中毒とは、「病原微生物や有害な化学物質あるいは有毒な成分を含む食品や飲料水を摂取した結果生じる急性の健康障害(下痢・腹痛・嘔吐など)」を、食中毒とよんでいます。

もちろん「食あたり」くらいの軽いものから、入院するような重症の食中毒もあります。食中毒を引き起こす原因となる物質によって、微生物による食中毒、化学性食中毒、自然毒による食中毒にわけられます。

腐敗した食品が原因?

食品の腐敗も食中毒もどちらも細菌によって引き起こされます。でも食中毒を起こす細菌は、細菌の病原性も強く、食品が腐敗が始まるより早くにすでに発症可能な細菌数になって食中毒を引き起こします。
 なので食品の味やニオイや見た目には全然異常がなくても、食中毒は発生する可能性はあります。(だから、とってもコワイですよね。)

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食中毒の種類

微生物による食中毒 

食品ととも摂取された微生物によって引き起こされる食中毒。細菌による食中毒では、感染型(食品中に増殖した細菌を食することで起こる)と毒素型(増殖した細菌が出した毒素を摂取することで起こる)があります。

[おもな原因物質]

  • 細菌性
  • 感染型:下痢原生大腸菌(病原性大腸菌)、サルモネラ、腸炎ビブリオなど
  • 毒素型:黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌
  • ウイルス性(ノロウイルス、A型肝炎ウイルス)
  • 原虫(クリプトスポリジウムなど)

化学性食中毒

有害な化学物質が食品に混入したり、汚染させることで起こる食中毒。

[おもな原因物質]

  • 有機水銀(水俣病)
  • 砒素(森永ヒ素ミルク中毒)
  • 残留農薬など

自然毒による食中毒

動物の体内や植物内に含まれる毒性物質を摂取することで起こる食中毒。

[おもな原因物質]

  • 動物性(ふぐ毒、貝毒など)
  • 植物性(毒キノコ、じゃがいもの芽、青うめなど)

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食中毒の症状

食中毒の症状で多いのは、下痢、腹痛、嘔吐です。もちろん同じような症状を引き起こす別の病気もいっぱいありますが、同じ食事をした人の間で同じような症状がでているときは、食中毒が疑われます。原因となるものによって、次のような症状が強くあらわれます。

微生物別食中毒症状


なぜ根端論理的な場所のプロセスが発生する?
サルモネラ
潜伏時間(通常) 6~48時間(12~24時間)
症状 悪寒・嘔吐→腹痛・下痢、発熱(38~40℃)
★子ども・高齢者で重症化しやすい。
特徴 発症菌数は10万個。エンテリティディス(鶏卵)は数10個で発症。低温・加熱に弱い。
分布 家畜、河川、下水、鶏卵、ペット
原因食品 牛肉たたき、レバ刺し、うなぎ、生卵、卵焼き、自家製マヨネーズなど
腸管出血性大腸菌(O-157)
潜伏時間(通常) 4~8日(3~5日)
症状 はげしい腹痛→下痢・下血。★重症の場合は溶血性尿毒症(HUS)や脳障害→死亡(子どもや高齢者で重症化する)
特徴 ベロ毒素を産生し、出血性の大腸炎を起こす。発症菌数は100個以下。熱や消毒剤に弱い。人から人への感染がある。
分布 ヒト、家畜
原因食品 動物の便・食肉による2次感染により、あらゆる食品が原因になる。ハンバーグ・ローストビーフでの報告も多い。
腸炎ビブリオ
潜伏時間(通常) 10~24時間(12~18時間)
症状 はげしい腹痛、下痢、発熱(37~38℃)、吐き気、嘔吐
特徴 海水温20℃以上で増殖。塩分を好む。真水では生息できない。熱に弱い。
分布 海水、海泥、魚介類
原因食品 魚介類の刺身、すし、野菜の一夜漬け(2次)など
カンピロバクター
潜伏時間(通常) 2~7日(2~3日)
症状 腹痛(腹痛は長期間続く)、下痢、発熱(38℃以下)、倦怠感、頭痛、筋肉痛
特徴 少量の酸素があるところで発育。発症菌数100個。熱・乾燥に弱い。
分布 家畜、家禽、ペット
原因食品 鶏肉、飲料水、サラダ(2次)など
ウェルシュ菌
潜伏時間(通常) 6~18時間(6~12時間)
症状 腹痛、下痢、下腹部痛
特徴 高温でも死滅しない。食品を大量に加熱調理した後、室温で放冷すると増殖しやすい。
分布 家畜、魚介類
原因食品 カレー、シチュー、スープ、麺つゆなど
黄色ブドウ球菌
潜伏時間(通常) 1~5時間(3時間)
症状 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢があることも。
特徴 食品中で増殖するときエンテロトキシンという毒素を作る。菌は熱に弱いが、毒素は加熱でも分解されない。
分布 ヒト(鼻、指、髪)、化膿巣、動物の皮膚
原因食品 おにぎり、弁当、和菓子、シュークリームなど
ボツリヌス菌 
潜伏時間(通常) 8~36時間(18~36時間)
症状 吐き気、嘔吐、視力障害(ものが二重に見える)、嚥下障害、運動まひ。★重症:呼吸困難→死亡
特徴 食品中に一定の発育条件(酸素なし、水分栄養あり、ph4.
あなたは、 NASAの宇宙飛行士になるために何をすべきかなければならないの
6以上など)でボツリヌス毒素を産生する。
分布 土壌、海・湖・川の泥砂
原因食品 缶詰、瓶詰め、いずしなどの保存食、キャビア、ハム・ソーセージ類(海外)など
セレウス菌(下痢型) 
潜伏時間(通常) 8~16時間
症状 腹痛、下痢
特徴 熱に強く、100℃で約30分の加熱が必要。
分布 土壌・水→米・小麦
原因食品 弁当、プリンなど
セレウス菌(嘔吐型)
潜伏時間(通常) 1~5時間
症状 き気、嘔吐、腹痛
特徴 熱に強く、100℃で約30分の加熱が必要。
分布 土壌・水→米・小麦
原因食品 焼き飯、パスタなど

ノロウイルス

潜伏時間(通常) 24~48時間(36~40時間)
症状 吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、発熱(38℃以下)、悪寒
特徴 冬季に発生が多い。100個程度で発症。2次感染を起こしやすい。最近見つかった食中毒ウイルス。
分布 カキ、二枚貝
原因食品 生カキ、酢カキ、カキフライ、アサリの和え物など
クリプトスポリジウム
潜伏時間(通常) 2~10日
症状 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐
特徴 寄生性の原虫で、水道の塩素に強い。60℃以上ー20℃以下で30分で感染力がなくなる。
分布 家畜、動物
原因食品  

その他の食中毒症状

ふぐ毒(テトロドトキシン) 
潜伏時間 20分~3時間
症状 口唇・舌・指先のしびれ、頭痛、腹痛、嘔吐→知覚マヒ、言語障害
★重症:呼吸困難→死亡(致死率が高い)
特徴 フグの肝臓や卵巣、皮などに含まれる。加熱で分解できない。フグの調理は専門の調理師に。
分布 フグ(肝臓・卵巣・皮)
原因食品 フグ料理
じゃがいもの芽(ソラニン) 
潜伏時間  
症状 嘔吐、下痢、腹痛、脱力感、めまい
特徴 じゃがいもの芽や緑色部分に含まれるソラニンが中毒を起こす。加熱でも分解されない。
分布 ジャガイモの芽・緑色部分
原因食品 じゃがいもの芽や緑色部分の除去が不十分だった料理
青梅(アミグダリン) 
潜伏時間  
症状 頭痛、めまい、発汗、けいれん
特徴 青梅 未熟な青梅の果実、種の中心部に含まれるアミグダリンが胃の酸で分解され青酸を出す。
分布 青梅、すもも・あんずなどの種子
原因食品 生の未熟な梅

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食中毒にかかったら…

  • なるべく早く病院で診てもらうこと。

1日に何度も下痢を繰り返す、下痢だけでなく吐き気、発熱などがあれば受診を。子どもの場合は下痢や嘔吐から脱水症状を起こしやすいので要注意です。また勝手に薬を飲んで下痢を止めないこと。長時間、腸内に細菌を閉じ込めることになり逆効果です。

[受診メモ(あれば受診がスムーズです)]

  • いつから症状が出たか
  • 下痢の回数、状態、下血の有無
  • 発熱
  • 吐き気や嘔吐
  • 食事や飲料水を飲むことができるか
  • めまいやものの見え方がおかしくないか(二重に見えるなど)
  • 海外旅行
  • 最近食べたもの
  • 食べた食品は保管する。

食品が残っていれば、そのまま冷蔵庫で保管しておく。買った店のレシートや容器・包装紙もあれば保管しておく。

  • 便や吐瀉物があれば病院にもっていく。

幼児の場合なら便のついたオムツやパンツもOK。ただし、これらから2次感染を防ぐためにビニール袋(できれば二重)に入れて、口をしっかりしばること。手洗いも十分に行ってください。

  • 家族への二次感染を防ぐ。

食中毒患者の便や吐瀉物に含まれる原因菌により2次感染を起こすこともあるので、こんなことに注意しましょう。

  • 手をよく洗うこと。トイレやオムツ交換の後はとくに念入りに手洗いをします。また手の汚れがついたタオルは細菌の温床になるので、常に乾いたものを使うこと。使い捨てのペーパータオルがベター。
  • 下痢をしている場合は素手で食品に触らない。
  • 食器や調理器具は熱湯や漂白剤で消毒する。
  • 患者の下着や衣類を洗浄する場合は家族のものを別に。消毒効果のある洗剤や天日干しなどで十分に殺菌します。
  • 入浴の順番は患者を最後に。お湯は毎日変え、残り湯を洗濯などに使用しない。
  • 嘔吐物などで汚れた用具・雑巾は塩素系消毒剤で消毒し、床も消毒剤を含ませた布で被せて消毒する。

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家庭でできる予防のポイント

食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない・増やさない・殺す」。そこで食品の購入~残った食品の扱いまで6ポイントにわけて考えてみました。

1『食品の購入』

  • 生鮮食品は新鮮なものを。
  • 購入した食品は肉汁・魚などの水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み、持ち帰る。
  • 冷蔵・冷凍など温度管理が必要なものは買物の最後に購入し、購入後は寄り道をせず持ち帰る。

2『家庭での保存』

  • 冷蔵・冷凍品はすぐに冷蔵庫へ入れる。
  • 冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持。細菌の多くには10℃で増殖がゆっくりとなり、-15℃以下では増殖が停止する。ただし細菌は死ぬわけではないので早めに使いきる。
  • 冷蔵庫の詰めすぎに注意。目安は7割程度。

3『下準備』

  • 手指には細菌がたくさん付着しているので調理前には手洗いを。
  • 生の肉・魚・卵を取り扱った時は手を洗う。また途中で動物に触れる、トイレに行く、鼻をかんだりした後も必ず手洗いする。
  • 包丁・まな板・ふきんなどは使用後は洗剤でよく洗い、消毒してからよく乾燥させる。 
  • ラップしてある野菜・カット野菜もよく洗う。
  • 冷凍食品は調理台に放置したまま解凍するのはやめる。
  • 解凍した食品を再冷凍することは避ける。冷凍と解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖する場合もある。

4『調理』

  • 中心部までしっかり加熱すること。目安は中心温度が75℃で1分以上の加熱。
  • 電子レンジを使用する場合、熱の伝わりにくいものは時々かき混ぜること。
  • 料理を途中でやめてそのまま室内に放置すると、細菌が食品に付いたり増えたりする。必ず冷蔵庫に入れる。

5『食事』


  • 食事の前には必ず手洗いを。
  • 温かく食べる料理は温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくする。
  • 調理後の食品は室温に長時間放置しない。

6『残った食品』

  • 残った食品は冷ましてから小分けして、冷蔵庫で保存する。
  • 再度温めるときは十分に加熱する。(目安は75℃以上、スープ類などは沸騰するまで)
  • 時間が経ったもの、少しでも怪しいと思ったものは、処分。

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食品別の予防法

たまご(サルモネラ・エンテリティディス)

  • 卵を取り扱った後は、手・調理器具の洗浄と消毒を。
  • 生食は期限内に限る。
  • 割卵後はただちに調理を。
  • 割れた卵・ヒビの入った卵は食べない。
  • 中心部まで火が通るように十分加熱する。ゆで卵は沸騰後も7分間加熱する。
 

肉類(病原性大腸菌、カンピロバクターなど)

  • 肉類を取り扱った後は、手・調理器具の洗浄と消毒を。
  • 中心部まで十分加熱する。(特にひき肉を使用する場合は注意)
  • 調理後の食品が汚染されないように注意する。
 

魚介類(腸炎ビブリオ、ノロなど)

  • 魚介類は水道水で十分に洗う
  • 魚を取り扱った後は、手・調理器具の洗浄と消毒を。
  • 中心部まで十分加熱する。
  • 夏季の魚介類の生食には注意する。
  • 貝類を生食する場合は内臓を除去する。
  • フグ料理は、資格をもった専門の調理師以外は調理しない。
 

カレー、シチュー、スープ類(ウェルシュ菌)

  • 前日調理を避ける。
  • 加熱調理後はなるべく早く食べる。
  • 大きい鍋で大量に加熱調理したときは、細菌が増殖しやすい45℃前後の温度を長く保たないようにする。
  • 保存するときは小分けして急冷する。
 

びん詰、缶詰、保存食など(ボツリヌス菌)

  • 真空パックや缶詰は膨張していたり異臭があるときは、絶対に食べないこと。
  • 家庭で缶詰・びん詰めを作るときは、加熱、殺菌の温度や保存方法に注意する。
  • レトルトパウチ食品に似た食品で、密封後に加圧過熱殺菌の記載がないものは、適切な保存をすること。
 

ご飯・麺類(セレウス菌など)

  • ご飯・麺類など穀類・コーンスターチを使用した食品は加熱調理後なるべく早く食べる。
  • 作りおきしない。
  • どうしても保存するときは、保温するか小分けにして10℃以下で保存する。
 

飲料水(水)

  • 飲用水は1分間以上沸騰する。氷をつくるときも湯冷ましを使用すること。
  • 浄水器はカートリッジを適宜交換する。
  • 浄水器から採取した水はそのまま汲み置かない。
  • 1日以上使わなかったときは、蛇口付近に溜まった水を流し捨てること。

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お弁当のポイント

  • 調理前の手洗い、調理器具・弁当箱の消毒をすること。消毒は熱湯・漂白剤でもOK。
  • おかは中心までしっかり加熱します。水分が飛ぶ「揚げる」「焼く」の調理がおすすめ。
  • 生野菜は水道水を流しながら十分に洗うこと。
  • ごはん・おかずは十分に冷まし、熱と水分がこもらないようにすること。通気性のよい弁当箱もグッドです。
  • 汁気の多いものは避けるか、別の容器にわけましょう。しょう油・ソースなどの調味料も別容器にします。
  • 「おにぎり」は必ずラップでします。寿司飯にしたり梅干をいれてもよい。
  • ご飯は当日の朝に炊くこと。

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つきぐまの感想

食中毒って「食あたり」くらいですむ場合も多いのですが、サルモネラにやられたつきぐまの友だちは2週間ほど入院するくらい重症だったし、つきぐまJrはカンピロバクターというものにやられたこともあります。完治するまで結局3週間くらいかかったかな~(長かった…(-_-))


食中毒は、家族の中で1人でも発症すると、看病だけでなく消毒やら洗濯やら掃除などなどでフツーの病気以上に気を使うことが多くて大変。まして家で食べたもので発生したら、家族全員が倒れるという事態になるから要注意です!(看病してくれる人が全くいなくなってしまう。)

そしてPTA関係で懇親会などお食事がつくものも、万が一があればクラス中の保護者や子どもが倒れるといった事態が発生することになるので、十分気を付けましょう。(業者のせいでも、「あの役員たちがあの弁当を選んだから!」と言って責められることは間違いない!と思う(T_T))

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