↓ 内容(数字をクリック)
1 | (名詞)が できます |
2 | V−辞書形・ことができます |
3 | V−可能形 |
4 | 自発構文 |
5 | 助詞「の」→所有・所属/人・物などの名詞の代わり |
注意 「キュー」は学習者にリピートを促すサインです。 私は右手を前に差し出しています。 手を「グー」から「パー」にする感じです。 「キュー」は「言ってください、どうぞ」と置き換えて読んでください。 |
1)(名詞) が できます |
言語・楽器・技術的なもので導入するとよい
導入1:新聞の求人欄をまねして大きめの「募集記事」を用意し、はっておく。
私:(募集記事をさして)みなさん、ABC学院で人を募集しています。
"英語ができる方"、みなさん、英語、大丈夫?英語ができますか?
Aさん、英語、大丈夫?英語ができますか?
学習者1人ずつの背中をたたきながら、きいていく。
それぞれに「英語ができます」「英語ができません」と言い、学習者にもリピートさせる。
英語のほかに「中国語」「パソコン」「〜人で日本語ができる人」「車の運転」「ピアノ」などで導入するとよい
導入2:私はこのパターンで導入しています。
学習者にやってみせること(前屈、逆立ちなどもよい)
私:みなさん、これ、してください。してください。してください。
みなさん、しましたか。
Aさんはしました。 ああ、できました。できました。
学習者1人ずつの背中をたたいて「できました!」/「できません!」と言って、まわる。
じゃあ、反対、今度は逆にしてください。
同じように学習者1人ずつの背中をたたいて「できました!」/「できません!」と言って、まわる。
導入1か導入2で「可能の概念=できます」が頭に入ったら、形の練習
絵カードを数枚(例:車、逆立ち、ピアノ、パソコン)用意しておく
私:(かっこいい車の広告を見せて)見てください、かっこいいですね。でも高いですね。
(このときの反応で車の好きそうな学習者をさす)Aさん、車が好きですか。
A:はい、好きです。
私:運転ができますか。
A:はい、できます。
私:上手ですか。
A:はい、車の運転は得意です。国際免許証をもっています。
私:ああ、そうですか。みなさん、いっしょにどうぞ。(キュー)
私&学習者:Aさんは車の運転ができます。(2〜3回)
私:(逆立ちの絵カードを見せて)みなさん、逆立ち、逆立ちです。できますか。
じゃあ、みんなで、Bさんにきいてみましょう。
学習者:Bさん、逆立ちができますか。
B:はい、できます。
私:本当?じゃあ、してください。お願いします。
はい、みんなでBさんにお願いしましょう。
私&学習者:Bさん、逆立ちをしてください。お願いします。
B:わかりました。します。
私:みなさん、Bさんは今から逆立ちをします、します。
B:今から逆立ちをします。
私:できました!逆立ちができました!みんなで拍手をしましょう。
私&学習者:逆立ちができました!(拍手)
私:じゃあ、みんなで言ってください。
します−できます−できません(2〜3回)
学習者:リピート
私:じゃあ、一緒に言ってください。
どのように科学者たちは、星が作られて判断か?
私&学習者:逆立ちができます。英語ができます。パソコンができます。
ピアノができます。中国語ができます。日本語ができます。
導入1:個人の可能
1)の練習時に、学習者の誰が何をできるのかを把握しておくこと
私:Aさん、車の運転ができますね。
A:はい、できます。
私:みなさん、きいてください。
Aさんは車の運転をします。できます。車の運転をする、する、することができます。
車の運転をすることができます。(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:Bさんは逆立ちをします。できます。逆立ちをすることができます。(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:(以下をホワイトボードに書くか、プリントを用意しておく)
名詞 が できます |
動詞−辞書形 こと が できます |
(名詞の方をさして)運転ができます、「名詞+ができます」(2〜3回)
(動詞の方をさして)運転をすることができます「V―辞書形+ことができます」(2〜3回)
大丈夫?わかりましたか?
学習者:大丈夫です。わかりました。
私:じゃあ、英語(と言って「名詞」の方をさす)
学習者:英語ができます
私:じゃあ、動詞(と言って「動詞」の方をさす)
学習者:英語???
私:英語を話す
学習者:英語を話すことができます
私:じゃあ、日本語(と言って「名詞」の方をさす)
学習者:日本語ができます
私:じゃあ、動詞(と言って「動詞」の方をさす)
学習者:日本語を話すことができます
私:じゃあ、ピアノ(と言って「名詞」の方をさす)
学習者:ピアノができます
私:じゃあ、動詞(と言って「動詞」の方をさす)
学習者:ピアノをひくことができます
(動詞だけの練習)動詞の絵カードを用意しておく
私:(泳ぐカードを見せて)これは?
学習者:泳ぎます/泳ぐ
私:(ホワイトボードの「V―辞書形+ことができます」をさして)
泳ぐことができます(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:(歩くカードを見せて)これは?
学習者:歩くことができます
私:みなさん、2時間歩くことができますか。
学習者:できます/できません
私:(書くカードを見せて)これは?
学習者:書くことができます
私:(ホワイトボードにむずかしそうな漢字を書く)
この漢字を書くことができますか。
学習者:できます/できません
私:(読むカードを見せて)これは?
学習者:読むことができます
私:みなさん、日本語の新聞を読むことができますか。
学習者:できません
導入2:「個人の可能」ではなく「ルール」を教える
用意するもの:公共の場所(美術館)の絵カード
私:(絵カードを見せて)みなさん、見てください。どこですか?
学習者:美術館です。
私:そうですね、美術館です。では聞いてください。
美術館では食べることができません。(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:でもロビーでは食べることができます。(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:食べる、辞書形、辞書形+ことができます、食べることができます
辞書形+ことができません、食べることができません
(ホワイトボードに書くか、プリントを用意しておく)
私:話す、話す、話すことができません(キュー)
学習者:リピート
私:日本語教室では(中国語)を話すことができません。(キュー)
*(中国語)は学習者の母語にあわせて変え、全員の母語をすること
学習者:リピート
私:タバコを吸う(キュー)
学習者:(ここでは)タバコを吸うことができません。
私:そうですね。じゃあ、お酒は?
学習者:(ここでは)お酒を飲むこともできません。
私:でも居酒屋では?
学習者:お酒を飲むことができます。
可能形の作り方:学習者にこのような表をわたすとよい
V−1(ます形) 砂漠化を解決するために我々は何を行うことができます
(辞書形) | 買い ます
買 う | 買え ます え段 買え る | 買え ません
買え ない | V−1の可能形を 特に可能動詞という 語幹 + eru emasu |
V−2(ます形) (辞書形) (ます形) (辞書形) | 食べ ます 食べ る 見 ます 見 る | 食べ られます 食べ られる 見 られます 見 られる | 食べ られません 食べ られない 見 られません 見 られない | 可能形V−2 語幹 + rareru + raremasu
|
V−3(ます形) (辞書形) (ます形) (辞書形) | き ます く る し ます す る | こ られます こ られる でき ます でき る | こ られません こ られない でき ません でき ない | 可能形 V−3 語幹の母音が変化
|
「可能形」と「〜ことができます」はほとんど相互に言い換え可能
導入:絵カード(富士山)を用意
私:(時計を見せて)5000円、5000円でこれが買えます。
(靴を見せて)これも買えます。これも買えます。
(指輪をみせて)これも買えます。これも買えます。
買います/買えます/(富士山カードを見せて)富士山は買えますか?
買います/買えます/(富士山カードを見せて)富士山は買えません。
(靴を見せて)みなさん、5000円でこれが買えますか。
学習者:買えます。
私:(指輪をみせて)5000円でこれが買えますか。
学習者:買えます。
私:(富士山カードを見せて)5000円で富士山が買えますか。
学習者:買えません。
私:そえですね。一緒にどうぞ(キュー)
私&学習者:5000円で富士山は買えません。
形の練習
私&学習者:一緒にどうぞ(キュー)
(V−1:9種類全部すること、ミニ会話をしながら覚えるのもよい)
買います→できます→買えます(2〜3回)
ホワイトボード/プリントの作り方の表を指しながら「い段」が「え段」になりますよ。わかりますか。
(50音図表でもよい)
走ります→できます→走れます(ミニ会話例:〜さん、ここから○○駅まで 走れますか。)
飲みます→できます→飲めます(ミニ会話例:〜さん、日本酒が 飲めますか。)
飛びます→できます→飛べます(ミニ会話例:〜さん、空を 飛べますか。)
死にます→できます→死ねます(ミニ会話例:〜さん、奥さん/ご主人/子供のために 死ねますか。)
待ちます→できます→待てます(ミニ会話例:〜さん、待ち合わせのとき、何分ぐらい 待てますか。)
話します→できます→話せます(ミニ会話例:〜さん、(学習者の母語)が 話せますか。)わざと母語を言うと楽しい。
泳ぎます→できます→泳げます(ミニ会話例:〜さん、どのぐらい 泳げますか。)
書きます→できます→書けます(ミニ会話例:〜さん、いくつぐらい 漢字が 書けますか。)
(V−2:ら抜き にならないように注意)
食べます→できます→食べられます(2〜3回)(〜さんはベジタリアンです。肉が食べられません。)
細胞呼吸の式は何ですか
ホワイトボード/プリントの作り方の表を指しながら「ます」をとって「られます」。いいですか。
もう一度、食べます→できます→食べられます
私:じゃあ、これは?覚えます
学習者:覚えられます
私:そうですね。じゃあ、これは?やめます
学習者:やめられます
私:そうですね。(タバコを吸う学習者をさして)Bさん、タバコがやめられますか。
B:やめられません。
私:そうですか。しょうがないですね。じゃあ、聞いてください。
見ます→できます→見られます(2〜3回)
ホワイトボード/プリントの作り方の表を指しながら「ます」をとって「られます」。いいですか。
もう一度、見ます→できます→見られます(キュー)
学習者:リピート
私:じゃあ、これは?起きます
学習者:起きられます
私:そうですね。みなさん、私は毎朝5時に起きますけど、みなさんは5時に起きられますか。
学習者:起きられません
私:そうですか、起きられませんか。じゃあ、これは?着ます
学習者:着られます
(V−3:不規則)
私:します→できます/できません(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:します→できます/できません このまま、覚えてください。覚えられますか。
学習者:覚えられます
私:そう、よかった!じゃあ、もう一度 します→できます/できません(キュー)
学習者:リピート
私:みなさん、日本料理ができますか。
学習者:できます/できません
私:そうですか。
私:V−3は「します」ともうひとつ、何ですか?
学習者:来ます
私:そうですね、「来ます」。じゃあ、聞いてください。
来ます→来られます/来られません(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:みなさん、日本語教室は7時からですけど、来週は6時、6時からです。来られますか。
学習者:ええっ! 来られません! ダメです。
私:そうですか。冗談です。
じゃあ、もう一度。来ます→来られます/来られません(キュー)
学習者:リピート
※可能表現について
@「れる/られる」は4つの意味用法がある→受身、可能、自発、尊敬
AV−可能形のうちV−1は「可能動詞」と言う
V−1、V−2、V−3とも活用はV−2になる(1つの独立した動詞としての活用)
V−1 → 可能動詞 → V−2 V−2 → 可能形 → V−2 V−3 → 可能形 → V−2 |
B可能表現での助詞に注意
「を」「が」「は」
C可能形を持たない動詞
(雨が)降る、(木が)倒れる、(事故が)起こる、(機械が)直る
わかる、(大学に)受かる、見える、(問題が)とける、くれる
知る、慣れる、増える、減る、上手になる
「見える/聞こえる」は学習者からよく質問が出るが、可能表現とは別の日に教えること。
(学習者が混乱しやすいため)
自発形←自然とそうなる/そのことが自然に発生する
可能形←意識的に注意を向ける
すべての動詞に自発形があるわけではない(心理や感覚を表す動詞のみ)
普通形 | 自発形 | 例文 |
見る | 見える | 窓から 富士山が 見える。 |
聞く | 聞こえる | 隣の部屋から ギターが 聞こえる。 |
思う | 思われる | 母の日になると 田舎の母のことが 思われる。 |
思い出す | 思い出される | 死んだ弟のことが 思い出される。 |
案じる | 案じられる | 子供のことが 案じられる。 |
感じる | 感じられる | 部屋が 広くなったように 感じられた。 |
心配する | 心配される | 地震のニュースをみて 友達のことが 心配された。 |
待つ | 待たれる | 合格の知らせが 待たれた。 |
導入1:「見える」
用意するもの:絵カード(2階の窓から富士山などが見えている絵)
私:みなさん、見てください。窓です。私の家の窓です。
窓から 富士山が 見えます。(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:じゃあ、こっちへ来てください(と言って、学習者を教室の窓辺に呼ぶ)
みなさん、窓から何が見えますか。
学習者:窓から 〜が 見えます。
私:じゃあ、みなさんの部屋の窓から 何が見えますか。
みなさんでAさんに、ききましょう。
学習者:Aさん、部屋の窓から何が見えますか。
A:窓から 駅が 見えます。
このようにして1人ずつきいていく
導入2:「見える」
用意するもの:透明バッグ、中にいろいろな品物を入れておく
私:みなさん、見てください。私のバッグです。
中が見えます。(2回)(キュー)
学習者:リピート
私:何が見えますか。1つだけ言ってください。じゃあ、Aさんから
A:〜が 見えます。
このようにして1人ずつきいていく
導入3:「聞こえる」
私:(部屋の窓を開ける)
みなさん、音楽が聞こえますね。(2〜3回)(キュー)
学習者:リピート
私:ほかに何が聞こえますか。
学習者:話をしています。
私:人の声、人の声、人の声が聞こえます。(キュー)
学習者:リピート
私:ほかに?
学習者:犬が鳴いています。
私:犬の鳴き声、犬の鳴き声、犬の鳴き声が聞こえます。(2回)(キュー)
学習者:リピート
私:あっ、車のクラクション、車のクラクションが聞こえます。(2回)(キュー)
学習者:リピート
「の」:所有のもの・所属先が省略
あれは 山田さんの「本」 です。 これは 私の「車」です。 このパソコンは 会社の「パソコン」です。 これは 誰の帽子 ですか。 | あれは 山田さんの です。 これは 私の です。 このパソコンは 会社の です。 私の です。 |
「の」:「人」「物」など名詞の代わりに用いる
い形容詞+の な形容詞+の V−普通形 | どの「セーター」が いいですか。 どんな「犬」が 好きですか。 日本語は 何が むずかしいですか。 | あの「赤いの」 がいいです。 「元気なの」が 好きです。 漢字を 「覚えるの」が むずかしいです。 |
助詞は、学習者には穴埋めの練習問題をだすとよい
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